留山川ダムが完成 試験湛水を開始
ダム湖名は「天留湖」に決定
2010月12月1日掲載
山形県が天童市山口地内の押切川支川留
山川に建設を進めてきた留山川ダムが完成
し、12月1日に湛水式が行われた。
ダムは、洪水調整、既得取水の安定化、
河川環境の保全を目的に計画された、高さ
46m、総貯水容量112万m3、有効貯水容量1
00万m3の重力式コンクリートダム。施工
は、フジタ・竹中土木・渋谷建設特定建設
工事共同企業体が担当し、平成20年6月か
らコンクリートの打設に着手し、同年10月
30日には定礎式が行われた。昨年12月15
日には最終打設が完了した。コンクリート
の量は、5万7,000m3に及んだ。試験湛水
は、貯水池に水を溜め、堤体や基礎地盤、
周辺地山の安全性を確認するもので、来年
2月9日には最高水位に達する予定という。
式典には、関係者60人が出席した。終了
後、公募によって応募総数197点から選ば
れたダム湖名「天留(てんりゅう)湖」が
発表され、採用された会津若松市在住の磯
部せい子さんに表彰状が手渡された。その
後、ゲートが閉塞され、湛水が始められ
た。
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式典終了後、JVの水野良所長は「私自
身、5個目のダムになりますが、この現場
ほど地元の方々のご協力をいただいた所は
ありませんでした。コンクリートから人へ
という風潮の中で、批判の対象になってい
るダムですが、頻繁に起こる集中豪雨によ
る洪水被害から流域住民の生活を守り、真
夏の渇水の時期にも安定的に農業用水を供
給するためにも、ある程度は必要ではない
でしょうか。ダムのおかげで、などと考え
なくとも、普段の生活の中で、気持ちのど
こかに、地元にダムがあるということを感
じ、末永く親しんでもらえればと願ってい
ます」と語った。一番うれしかったことを
聞くと「地元の山口地区で、地域内のいろ
んなものを掘り起こそうというお宝委員会
というのがあるんですが、その一つにこの
ダムを選んでもらったことですね。5年も
いると、すっかり天童市民になりきってい
たので、離れることは、やはり寂しい。来
年夏に予定されている竣工式には、こっそ
り来ようと思っています」と話した。

▲ゲートが閉鎖され湛水を開始

▲式典終了後に記念撮影する施工関係者
