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土木学会賞「技術開発賞」を受賞

環境に配慮した「エコサルファー防食工法」 新日本石油、大林組が共同開発

2010月6月2日掲載

 新日本石油(西尾進路社長)と大林組(
白石達社長)が共同開発した「硫黄固化体
を用いた下水道コンクリート防食被覆工
法(エコサルファー防食工法)」が、平成
21年度土木学会賞「技術開発賞」を受賞し
た。
 下水道のコンクリート構造物は、バクテ
リアが生成する硫酸により、腐食の進みや
すい環境下にある。このため、従来の防食
被覆工法を施したコンクリート構造物は、
要求耐用年数の10年に満たないうちに表面
の剥離が発生するなどの問題があり、再防
食工事を余儀なくされていたのが現状だ。
 協同開発した工法は、強度、耐久性(耐
酸性、耐塩性)に優れた硫黄固化体パネ
ル(商品名:レコサール・防食パネル)を
使用することにより、従来の防食被覆工法
の問題を解決。下水道インフラの長寿命
化、防食コストの大幅な削減を図ることが
可能となる。さらには、石油精製の副産物
である硫黄の活用による環境負荷の低減を
実現しています。今回の受賞は本工法の開
発と実用化の功績が評価されたもの。
 レコサールとは、130〜150℃の硫黄に
添加剤を加えて製造した改質硫黄に石炭灰
等の微粉末を加えた「硫黄中間資材」と、
砂、砂利等の骨材を混ぜ合わせ、型枠に

流し込み徐冷して固めたコンクリート状の
建設資材。セメントコンクリートに比べ、
強度、耐久性(耐酸性、耐塩性)に優れて
おり、魚礁(藻礁)、排水路用U字溝、下
水管、下水施設用防食パネル等として実用
化されている。
【受賞内容】 平成21年度 土木学会賞「
技術開発賞」
【受賞対象】「硫黄固化体を用いた下水道
コンクリート防食被覆工法(エコサルフ
ァー防食工法)」
【受賞者】上原淳・ 新日本石油株式会社
研究開発本部研究開発企画部R&D企画グ
ループ、 太田義高・新日本石油株式会社
研究開発本部研究開発企画部レコサール事
業化グループ、福井真男・大林組生産技術
本部特殊工法部、出町哲也・大林組生産技
術本部特殊工法部

5月28日に行われた授賞式 左から福井真男氏(大林組)、出町哲也氏(大林組)、上原淳氏(新日本石油)、太田義高氏(新日本石油)
▲5月28日に行われた授賞式 左から福井真男氏(大林組)、出町哲也氏(大林組)、上原淳氏(新日本石油)、太田義高氏(新日本石油)